株式会社Classroom Adventure(本社:東京都中央区、代表取締役:今井善太郎)は、奈良県警察本部および公益財団法人奈良県暴力団追放県民センター(以下、奈良県暴追センター)と連携し、2025年12月4日(木)、奈良県立大学附属高等学校(奈良市)において、全校生徒約490名を対象とした「闇バイト」対策特別授業を実施いたします。

本授業では、Classroom Adventureが開発した体験型防犯教材「レイの失踪」を活用し、近年深刻化する「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」による若者の勧誘手口を擬似体験することで、生徒の防犯意識と情報リテラシーの向上を図ります。
奈良県でも迫る「闇バイト」の脅威
昨今、SNSや求人アプリ上の甘い言葉で若者を勧誘し、強盗や特殊詐欺の実行役(受け子・出し子)として使い捨てる「闇バイト」が社会問題化しています。奈良県警察の発表によれば、近年、特殊詐欺事件は急増傾向にあります。令和6年中には増え、認知件数270件、被害総額約13億4,340万円となりました 。前年と比べて被害件数は40件、被害額は約7.5億円増加しました。闇バイト事件においては高校生がSNSを通じて犯罪組織に関与し、他県で高齢者から多額の現金を騙し取るなどの事件が発生しています。これら「ごく普通の高校生」が、知識不足や一瞬の油断から犯罪加担者となってしまう現状を打破するため、奈良県警察本部は、従来の講義形式にとどまらない、より実効性の高い教育手法の導入を検討してきました。
取り組みの概要
奈良県立大学附属高等学校の学生490名を対象に「レイの失踪」を使ったワークショップ及び警察担当者からの講話を行います。
実施日時
令和7年12月4日(木) 午前11時00分から午後0時30分までの間
実施場所
奈良市六条西3丁目24番1号
奈良県立大学附属高等学校 体育館
参加者
奈良県立大学附属高等学校に在籍する全生徒 494名
「体験」から学ぶ新しい教育プログラム「レイの失踪」
闇バイトは早急な対策が求められるテーマですが、その手口は日々変化しています。最新情報が教科書に掲載されていないことから、対策は学校や先生ごとの判断に任されがちで、準備や指導の負担が大きいのが実情です。さらに、従来の座学だけでは生徒が危険を「自分ごと」として捉えにくく、主体的な行動変容につながりにくいという課題も指摘されています。
Classroom Adventureはこうした状況を受け、生徒が疑似体験を通じて闇バイトのリスクを具体的に学べるゲーム型教材「レイの失踪」を開発し、教育現場の負担軽減と学習効果の向上を目指しています。
「レイの失踪」は、リアルに再現されたSNS空間を舞台に、失踪した友人「レイ」が闇バイトに勧誘され、抜け出せなくなる過程を疑似体験するプログラムです。参加者は忠実に再現されたゲームの世界で、ストーリーを進めます。
このプログラムで身につく主なスキルは次の三つです。すでに全国100以上の教育機関での連携が進んでいます。
1.狙われない — ターゲットにされやすい人の特徴を理解し、自分の情報発信を見直す。
2.騙されない — 最新の勧誘手口や隠語を見抜くリテラシーを身につける。
3.ハマらない — 犯罪グループから抜け出せなくなる仕組みを理解し、自分や友人を守る方法を学ぶ。
奈良県警察からのコメント
“奈良県内でも、「闇バイト」に応募して、特殊詐欺や強盗などの犯罪に手を染めてしまう人が後を絶ちません。
「闇バイト」が「良くないこと」なのは、誰もが知っています。しかし、その「恐ろしさ」は、必ずしも正しく理解されていません。「闇バイト」に加担すれば、犯罪組織にあなたの大切な「人生」を握られてしまいます。犯罪組織は、あなたを大切にはしてくれません。あなたが逮捕されることに対して、心を痛めることはありません。
また、あなたを縛り付けるため、組織を守るために、あなたを傷つけ、財産を奪うこと、あなたの家族や知人に危害を加えることをためらいません。
この「恐ろしさ」を効果的に学んでもらえる方法を模索する中で、「レイの失踪」に出会いました。「リアルな恐ろしさ」の疑似体験が、子ども・若者を犯罪から遠ざけ、安全で安心な奈良県の実現につながることを期待しています。”
奈良県警察本部 犯罪抑止対策室長

